マイカート

閉じる

カフェラテをいれる

カフェの一番の人気メニュー、知っていますか?実は日本をはじめアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダでも、一番人気はカフェラテだそう。個人的には、はじめは驚きでした。なんだかんだでポアオーバーだと思っていたから。でも、誰にでも飲みやすかったり、SNSにあげるキレイな写真が撮れることを考えると、確かに納得。最近では自宅に家庭用のマシンを置いて、ラテアートをSNSにあげるかたなんかも増えてきていますよね。さて、そんなカフェラテですが、プロのバリスタがどのようにして、また何を考えながら淹れているかご存知でしょうか。意外と知らないそれぞれの動作やその意味、考えかた。簡単にではありますが、そんなことを、ここでご紹介したいと思います。

 

Dosing

 

最初はドーシング。バスケットの中に粉を入れるところからはじめます。グラインダーは大きくわけてふたつ。挽いた粉が直接出てくるオンデマンドタイプ。ドーサーと呼ばれる粉貯めがついていて、そこにたまったものをレバーをカチャカチャ引いて取り出すドーサー付きタイプ。どちらも一長一短ありますが、より動作がスマートなオンデマンドが今の気分。ポルタフィルターを差し込んでスイッチを押せば、設定しただけの時間粉を挽いてくれます。必要量の粉がバスケットに入ったら、ポルタフィルターの側面を軽く手で叩いてあげて、山になった粉をならしてあげましょう。実は、これが最初のディストリビューションです。

 

Distributing

 

ディストリビューション。分配。ちょっと前までは、実はこの工程はレベリングと呼ばれるものでした。レベリングでは、手を使って粉を綺麗にならしてあげる。ところが、これがなかなかどうして難しく、人によっても違えば、同じ人でも同じようにならすのが難しい。これではお店で再現性を保つのも難しいし、そもそも食品を手で直接触っているわけだから、衛生的な面も気になる。そこで登場したのがディストリビューターです。これをバスケットに乗っけて回してあげれば、粉が均一になる仕組み。粉を均一にしてあげることで、全体の密度が均一になるので、全体からバランスよく抽出することが可能になります。実は、エスプレッソではポアオーバー以上にこの「全体からバランスよく」というのがとても大事。エスプレッソというのは抽出時にとても大きな圧力をかけて抽出するので、密度の低いところがあるとそこからばかり水が通ってしまいます。これの極端な例がいわゆるチャネリングで、チャネル(水路)のごとく、モノの数秒で、まともに抽出されていない液体がドバドバと出てきてしまう。これを防ぐための工程が、このディストリビューションなのです。

 

Tamping

 

続くのがタンピングです。実はこれも意図するところはディストリビューションと同じ。そのままでは粉の間に空気が入っているし、密度も一定ではありません。タンピングによってその粉を押し固めることで密度を一定にします。何キロの重さをかけるとか、昔からさまざまなことが言われてきましたが、そんなに難しいことはありません。大切なのは、粉が沈まなくなるまで水平に押し固めるということ。バカみたいに力をかける必要は全くありません。

 

Extraction

 

ついに抽出です。ここで大切なのはできるだけ早くスイッチをオンにするということ。グループの部分はかなり高温になっているので、ポルタフィルターをはめたあとに実際の抽出まで時間が経ってしまうと、どんどんと粉に熱が加わり、粉の成分が変化していってしまいます。ポルタフィルターをグループにはめたら、何も考えずにスイッチをオンにします。カップを置くのはそのあとです。スイッチをオンにしてから実際にエスプレッソが落ちてくるまでには数秒程度かかるので、意外と余裕があるのです。スイッチをオンにして数秒待つと、トロッとしたシロップのような、いかにもおいしそうな濃茶の液体が落ちてくる。20秒から30秒程度で液体の色が白っぽく変わり、トロみがなくなってきたところで抽出を止めてあげます。これでエスプレッソが完成です。正しく抽出されたエスプレッソの表面には、クレマと呼ばれるキメの細かい泡の層が見られます。このクレマが、おいしさはもちろんキレイなラテアートにもつながるのです。

 

Steaming

 

さあ、ここからがカフェラテにかかせないスチームミルク作りです。ミルクピッチャーに一定量のミルクを入れて、スチーミングをして空気を含ませる。最初に先端だけを少しミルクに入れ、スチームを全開にします。そのまま少しずつピッチャーを下げていくと、チ、チチチッ、チチッ、と線香花火のような音がしてきます。これがいわゆるボリュームアップ。最初に入れたミルクの1.2倍を目安に空気を含ませます。一気に下げすぎると、ジュボボッとまとまった空気が入って、大きな気泡ができてしまいます。空気を十分にいれたらピッチャーを上げて、空気を入れないように全体を混ぜつつ、目に見える泡を潰していきます。この工程がストラクチャリング。キメの細かい、キレイなスチームミルクを作ります。ピッチャーにギリギリ触れられる温度になるまでストラクチャリングをしたら、スチーミングが終了。この、「ギリギリ触れられる温度」が約60度、飲んでおいしいカフェラテの温度です。スチーミングが終わったら、ミルクのついたスチームワンドをキレイに拭いて、空ぶかしでワンド内のミルクを出しておくのも忘れずに。

 

Pouring

 

ここでやっとミルクを注ぎます。もしスチームがちょっとうまくいかずに気泡が残ってたら、注ぐ前にピッチャーをやさしく机に叩きつけて気泡を潰します。その時、ミルクが跳ねないように手をピッチャーの上にかざすのを忘れずに。注ぎはじめるまでに時間をかけるとエスプレッソのクレマがなくなったり、ミルクが分離したりするので、できるだけ手早く。最初は高めから、土台を作るようにカサをあげます。十分に高さが上がったらピッチャーをぐっと液面に近づける。勇気を持って一気に近づけることが大切です。そうすればまるで魔法のように液面をミルクが流れていく。ピッチャーをゆらゆらと左右にゆらしたり、23回と白い玉を置いていきます。

 

Cafelatte

 

そうして、最後のミルクを細く出しつつピッチャーを高い位置に。そのままカップの真ん中に縦の線を入れるようにピッチャーを動かすと、思わず写真の撮りたくなる美しいラテアートの完成です。

 

普段カフェラテをいれているあなた。考え方は同じでしたか?それとも、新しい発見がありましたか?普段カフェラテは飲むだけのあなた。想像よりもたくさんのことが意識されていたでしょうか?それとも、意外と自分でもできそうですか?プロのバリスタたちは、1杯のカフェラテをいれている最中、こんなことを考えているんです。